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ワールドキルトフィスティバル2024横浜

私たちCOATA Social and Environmental Business Consulting LLP は、

ウッタラカンド州政府プロジェクト(Uttarakhand State Rural Livelihood Mission)

から委託を受け、2024年11月7~9日に日本の横浜で開催される「ワールドキルトフェスティバル2024」に参加することになりました。

ウダム・シン・ナガール県とその周辺に住む農村女性グループの製作したキルトと手織物を日本の皆様にご紹介します。

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ウッタラカンド州女性キルトグループ

ウッタラカンド州ウダムシンナガール県ラムバク村には、約70年前にインド東部のベンガル地方から移住した人たちが住んでいます。彼らが持ち込んだベンガルの伝統的なカンタ・キルトを受け継ぎ、約250人の女性が今もキルト製作を続けています。

伝統的なカンタ・キルトは、布の少ない農村で、着古した女性の衣服(サリー)や男性の腰巻(ドーティ)を再利用して作ったものです。幾重にも重ねた布と布を、シンプルなランニングステッチで合わせる、農村女性の大事な家事の一つでした。

赤ちゃんや小さな子供をくるんだり、ベッドやまくらカバーとして使ったりと、家庭のなかで使うための布でした。

ラムバク村には、プール(PHOOL)と呼ばれる伝統的なキルトが残っています。昔話や先祖に起こった事柄をモチーフにしてデザインするのがその特徴になってます。

ウッタラカンド州政府は、キルト製作を通じて農村女性の経済的な自立と社会への積極的な参加を促す支援をしてます。

カンタキルトとヒンドゥー教の神様

インド各地にカンタキルトは拡がり、様々なデザインがありますが、ヒンドゥー教の神様をモチーフにしたものが多く見つかります。例えば、下の写真、象さんの右にいるのは、ヒンドゥー教にでてくる女神の一人、カリー(Kali) で、破壊と再生の神として知られています。カリーは、有名なシバ神の奥さんであるバルバティ神が、怒ったときの姿だとされています

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シバ神(左)とバルバティ神(右)         カリー神(バルバティ神が怒ったとき)

パシュミナ(Pashmina) についてあれこれ

  • ショールやストールそのものをパシュミナということもありますが、元々は、インド北部の山岳地帯に棲む、カシミア山羊の原毛と、それを紡いだ手織物の総称です。

  • 厳密には Chegu あるいは Changthangi というカシミア山羊の一品種からとれる繊細な産毛と、それから作った織物だけを指すという専門家もいます。パシュミナ繊維の直径は12-13ミクロンであるのに対し、平均的なカシミア繊維は14~16ミクロン。人の髪の毛が50~100ミクロン程度です。本物のパシュミナ繊維はあまりに繊細なので、機械織りは難しく、職人による手織りでしかできないといわれています。

  • カシミアの語源であるインドのカシミール地方が、パシュミナの産地として有名で、その起源は2000年前にさかのぼります。シルクロードを使ってヨーロッパに伝わり、貴族の間で貴重品として扱われました。現在では、中国、モンゴル、オーストラリアやニュージーランドでカシミア山羊が大規模に飼育されています。大量に採取された原毛を使い、世界各地で機械織したカシミア/パシュミナ製品が日本にも輸入されています。

  •  ウッタラカンド州のカシミヤ山羊の頭数が減ったため、パシュミナ原毛の入手が難しくなりました。州政府は、農村女性の手織物の製作のため、モンゴルなどから輸入した原毛を使っています。将来的にカシミア山羊が増え、十分な原毛が地元でも確保され、質の高いパシュミナ手織物が、日本にも輸出できるようになることが期待されています。

ボティア・カーペットとは

  • インドのウッタラカンド州に住むノマド(移動)型の少数民族:ボティア(Bhotiya)に伝わる伝統的な手織カーペットやラグのことです。

  • 現在はボティアの人々のほとんどは定住していますが、もともとは薬草やキノコ等の山の恵みの採取して、季節に合わせてウッタラカンド州内の山岳地域で移動を繰り返していました。

  • そんな彼らにとってカーペットは持ち運びができる唯一の家財。家族が集まり、就寝し、客人をもてなすのも、全てがカーペットの上です。

  • 素材はウールで、ヒマラヤの自然をモチーフした幾何学的なデザインが多く、ボティアの文化的なアイデンティティをあらラスものになっています。

  • 様々な価値を持つ貴重なカーペットを、母から娘に代々受け継いた技法を守り、今も丁寧に心をこめて織っています。

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